Column003 アメリカのどこに進出する?顧客はそのロケーションにいるのか!?

コミュニケーションの重要性

今回のテーマはアメリカ進出にあたっての「場所選び(=ロケーション)」の重要性についてです。「ロケーション」は単なる一要素ではなく、ビジネスの根幹を成す重要なポイントであることが浮かび上がってきました。


インタビュー相手

宮川聡 Life is Tech !アメリカ法人CEO

東京大学工学部卒、スタンフォード大学経営大学院修了。証券アナリスト(CCMA)。2005年に大学卒業後、東京海上日動火災保険へ入社。海外事業の経営戦略・資本政策に携わる。2016年ライフイズテックに参画後、2019年にアメリカ法人CEOとして、ロサンゼルスにてビジネスを立ち上げる。社会課題を解決するアイデアを持つ高校生を応援する、インキュベーションプログラム「BLAST School」メンター。


ゆうき

さとしさん、今日もよろしくお願いします!

早速ですが先日、6年ぶりにニューヨークに行ってきて、凄く刺激的で楽しかったんですね。

ただ「ロサンゼルスとニューヨークって違う国みたいだよね。」なんて言われることがあってその通りなのかなって。

今回は、「ロケーション」について、「なぜ今の場所でビジネスをやっているのか」「どういう事が起きているのか」をテーマに、僕たちの事例を踏まえて話していきましょう!

さとしさん

いいですね!ロケーションはとても大事です。
よろしくお願いします。

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コロナ前から「全員フルリモート」に転換

ゆうき

さとしさんの場合、どういう状況なのか教えてもらえますか?

さとしさん

僕らは今、ロサンゼルスにヘッドクォーター、アメリカの本社があって、オフィスはそこだけです。

ただ、オンライン教材を販売しているので、社員はカルフォルニア、ロサンゼルスに限らず、オハイオ、マサチューセッツ、ジョージアなど東海岸にもいます。

ゆうき

他州に在住しているメンバーがリモートで働いてる状態なんですね。

さとしさん

そうですね、全員フルリモートです。

ゆうき

コロナの影響があってフルリモートになったんですか?

さとしさん

いい質問!結論はイエス。

元々はロサンゼルス近郊でオフィスに出社できる人だけ採用しようとしていたんですが、コロナだったからフルリモートでやらざるを得なくて。

でもそれで「いける!」と分かったので、地理的制限を受けずに人を採用できることにつながり、結果オーライでした。

ゆうき

それは進出したばかりの時?進出する前?

さとしさん

フルリモートになったのは進出してしばらくたってからです。進出したのが2019年だったので、結構あとですね。

最初は、日本人スタッフだけで進出したのでまだ現地の人はいなかったんですよ。1人だけ現地の日本のグリーンカードホルダー(アメリカの永住権)の方に入ってもらったんですが、その方はロサンゼルスにいたんですよね。

シリコンバレーではなくロサンゼルスを選んだ理由

ゆうき

なるほど。1つ疑問があって、例えばシリコンバレーとかニューヨークという選択肢はなかったんですか?

なんでロサンゼルスになったのか、その経緯は…?

さとしさん

元々R&D(研究開発)をやっていたのもずっとシリコンバレーで、進出直後はシリコンバレーかロサンゼルスで凄い悩みました。

大きなビジョンとして、アメリカで成功してその後世界へ、っていう道筋を描いていたので、アメリカの成功といえば、テクノロジーが集まるシリコンバレーでの成功でしょうと。

そこでブランディング上も良くなるだろうし、人とお金が集まる場所という意味でシリコンバレーを考えていたんですけど、結果、弊社はディズニーさんと提携したということもあって、ディズニーさんに通う必要がありました。

でも正直、進出すると決まった後もLAなのかシリコンバレーなのか、まだ半々ぐらい悩んでいました。

さとしさん

経緯としてはマーケティングも少し絡んでくるんですが、色々なエキスポ(博覧会)にブースを出して、直接お客さんの反応を得ながら自分達のプロダクトをどう販売していくのかを検討している段階でした。そして、ロサンゼルスで開催されるエキスポが多かったんですね。

アニメエキスポとか、ディズニーさんが主催するD23というエキスポとか。そこに出展していく中で、ロサンゼルスもエンタメシティなのでシリコンバレーと全然雰囲気が違うし、エンタメに明るい人材とかテクノロジーが思っていた以上に進んでいたのでロサンゼルスでもいい人材いるかもなあと。

あとは生活費などがシリコンバレーと比べると圧倒的に安いです。安いと言っても、日本と比べると1.3倍とか1.5倍しますね、シリコンバレー行くと2倍ぐらいになってしまいます。

ゆうき

考えられないぐらい高いですよね。

さとしさん

なので、行く必要があれば、こっちからシリコンバレーに出張すればいいかなって思考に切り替わったんですよね。

ゆうき

五分五分で悩んでたところから最終的に決定したところまで、どれぐらいの時間を掛けて意思決定されましたか?

さとしさん

最後は半年ぐらいですかね。会社作った時はまだビザも出てなかったので出張ベースだったんですね。ロサンゼルスに来て色んな雰囲気を知れたっていうのがすごく大きかったです。

結果、ビザ取るのに半年掛かっての意思決定になったけど、それも偶然で、出張ベースだったからこそ両方見れたんですね。

ロサンゼルスで戦っていけそう、いい人いそう、スタートアップも沢山ある、だったらここが良いかなって。

さとしさん

あとは時差の問題もありますよね。

うちはどうしても日本のスタートアップの子会社として出てきたから日本とのやり取りも多いので、西海岸のほうがはるかにミーティングがやりやすいですね。

時差が結構きつくて、出張ベースだったので日本からアメリカのチームとのコミュニケーションもしていたんですが、日本時間で朝4時から昼の12時まで働くみたいな生活だったのでそれはきつかったです。笑

ゆうき

来てみて、初めて気付くところですよね!

ターゲットのお客様がいるエリアに出せるかどうか

さとしさん

そうですね!それでは今度は、佑樹さんが3年前にアメリカに来た時、当時のビジネスのロケーションの状況、そこからどう変わっていったのかを教えてください!

ゆうき

僕がアメリカに来た時には、クリニックが既に1つ立ち上がっていて、かつもう1つ新しいクリニックをどこに出すのかもほとんど確定していたので、ロケーションに関する意思決定にはほぼ携わっていませんでした。

なので「何でこの場所にに出店してしまったんだろう…?」と後から思うことも正直ありました。

さとしさん

ロケーションってどれぐらいビジネスに影響があるものなんですか?

ゆうき

自分たちのビジネスは、クリニックにお客様が直接ご来院されて成り立つので、ターゲットになるお客様が住んでいるエリア・商圏に出せるかどうかが決定的な要素になってしまうんですね。

そして「どこに出店するか」を考えるときに、そもそも自分達はどんな強みを用いて、どんなサービス提供を行っていて、どんなお客様をターゲットとして展開するのかをクリアにしないと、痛い目に遭いますよね。

さとしさん

ぼくも全く同じ思考で、一体どんな方がライフイズテックのメインターゲットとなるお客様なのか、全然分かってなかったですね。

1店舗目が決まって2店舗目は出す場所が決まっていた時、違いはなかったんですか?

ゆうき

大きく違いがありましたね。

その経緯も含めてお話すると、美容医療は「どんなドクターと提携するのか」ということがビジネスの展開においてすごく肝となるところ。

要するにライセンスを持っているドクターと提携をして、ドクターの医療法人の下でビジネスを始める時に、そのドクターがどこで展開したいのか、どこであればビジネス展開しやすいのか、という前提がどうしても付きまとってました。

さとしさん

なるほど。ドクターのライセンス、できる施術とかその方の志向があるわけですね。

自分の無知に気づくこと。その中で小さく手数を打つこと。

ゆうき

最初に提携したドクターは50代後半くらいの白人男性だったんですけど、その方と「ビバリーヒルズで開けようか!」なんて話もあって。

結論、彼の地元でオープンしたんですが、そこのエリアに住んでいる方々は70∼80%が白人だったので、日本から進出してきた美容医療のクリニックが何故このエリアで?ってなるんですよね。

残念ながら、それだけ違いがあるんだということもやっぱり出店してみて、いざ戦ってみないと気付けなかった自分たちがいるのが、リアルなところだなと思いました。

さとしさん

やっぱりやってみないとわからないことって沢山あるので、それも大事だと思いますね。

ゆうき

どのエリアにどういった民族性、人種、民族、言語を扱う方々がどれぐらいの割合で住んでいるのか。かつその人達の経済的な状況はどうなのかということに対しての無知さだったり、それがどれだけビジネスに大きな影響を与えるのかにそもそも気づいてなくて、ロケーションを最初の場所、2店舗目を出店したところの違いから気付かされたのが我々の状況でした。

さとしさん

面白いですね!ロケーションって切り口でお話していましたが、他の事も全部一緒な気がします。

新しいビジネスを始めるとき、僕の中では手数を最初に打つことが大事だと思ってます。小さくていい、ジャブでいいから10発打ってみて、たとえば3発目のがいい感じの感触で、でも4発目5発目は全然刺さらないな、みたいな。

数字で利益が出てるとかじゃなくて、そういうのが最初一歩目決めるときに結構大事な気がしているんですよね。

ゆうき

その通りだと思います。やはりテストマーケティングをする事とか、ある程度仮説を立ててそのロケーションでオープンさせることや、ビジネスのマーケットとして、人材という観点で意思決定するのか、そうじゃないのかっていうテストをある程度やった上で、でもどこかの段階では見当をつけてやってみなきゃいけない、そんな感覚なのかなと思いました。

さとしさん

ロケーションの1つをとってみても色々ありますね、僕らの事例だけでも共通項とか違うことがありましたが、他の方々にも今どこでやっていて、それが何故なのかという話を聞くだけでも色んな気づきがあるかもですね。

ゆうき

サンフランシスコとかシリコンバレーの人達とか、ニューヨークとか。はたまた内陸……。

さとしさん

テキサスとか!

ゆうき

いいですねー。今熱いですから是非聞いてみたいですね。

さとしさん

次回は時間とお金についてお話できればいいなと思っています。引き続きよろしくお願いします!!

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