今回は、経営者や企業への英語コーチングを提供している小田切まいさんへインタビュー。小田切さんが思う、本当に大事な英語スキル・マインドとは何なのか。そして、英語を使って目標を達成したい経営者の特徴や、専属でコーチングをしているからこそ見えてきた、英語を通じての色々な出会いについて語ってくれます。
マイさん本日はお時間をいただいてありがとうございます!
マイさんとはかれこれ5年くらいお仕事でご一緒させていただいてますよね。僕も以前は英語コーチという職業をしていたので、今日はコーチのまいさんからどんな話が聞けるのか楽しみです。よろしくお願いいたします!
はい、よろしくお願いいたします!
英語を使って目標を達成するために「伴走する」ことが仕事
それでは、早速・・・。
マイさんは、お仕事で英語のコーチをやってらっしゃいますが、英語のコーチがどういった職業なのか、どういった方とお仕事されるのか簡単に教えていただけますか?
語を使って何かしらの目標を達成したい」という方々に対して、伴走する人というイメージです。
目標を具体的にしていったり、その目標に対してどんな英語のスキルが必要なのかを、話しながら一緒に探していきます。
その道が見つかったら、具体的なプランニングをしたり、トレーニングをしたり。道に迷いそうなときは、「正しい道はこっちかもしれないね」って一緒に探りながら目標達成に向けてサポートします。
ありがとうございます。
僕自身もそうですけど、マイさんはこれまで色んな業種や業界の方々のコーチをされてきたんじゃないかなと思います。
経営者の方の英語コーチをすることも多いと思うんですけど、どういった方々がコーチをつけるんですか?
海外を視野に入れている方が今までやっぱり多かったかなと思います。経営のトップに立つような方は、そういう方が多いです。
社内で海外進出の動きがあって、もう海外に出なきゃいけなくってとか、社内で英語でのコミュニケーションが必要、というパターンもあります。
なるほど、ありがとうございます。
単純に英語を学ぶのと、専属で英語コーチをつけるのは、僕は違う話なのかなと思いましたけど、マイさんから見てどうでしょうか?
あとは、会社を経営している方々が必要としている「英語」や「マインドセット」の違いについてどう思いますか?
そうですね、マインドセットはかなり違うなと思います。
経営者に限らず、普段から目標達成のために動きを取捨選択する人は、英語に対しても取捨選択をします。
英語を学ぶことより目標を達成することのほうが優先順位が高いので、「ライティングはいらないです」「スピーキングはこの分野だけでいいです」といった判断ができるんです。
そういう人たちは「英語を学びたい」とは違う感覚を持っているんだと思います。
そうなんですね。目的や目標に対して、英語を通じてその目標を達成する方が多いんですね。
僕が1番最初にある経営者の方から英語コーチングをつける理由を聞いた時に、「俺が英語を話せるようになることが、会社の事業を数十億~数百億でかくすることにダイレクトに影響する。だから俺に英語を教えることがそれくらいの価値があると思って一緒にやって欲しい」って仰っていたのがとても印象的でした。
グローバルコミュニケーションが彼らのビジネスにどれだけのインパクトを与えるものなのか、知らされたのが僕の中で印象深い思い出です。
これは、今のマイさんの話に通じるところかなって思いますね。
英語ができたからって目標を達成できる訳じゃない!?
私からもゆうきさんに質問いいですか?
もちろん!
バンバンどうぞ。
ゆうきさんは大きい数字が動く企業や、大きい数字を動かせるような立場の方とお仕事をされるのが多いじゃないですか。
そんななかで、英語コーチとして関わっていたときに、その場で経営者の方が頑張ったことでインパクトを感じたり、変わっていく瞬間みたいなものを感じた経験はありますか?
そうですね…いくつか思い出すことがあります。
1つは、語学や言語を取り扱うと、どうしても成果に関する〇✖が見えにくい状態になる時が出てきて「今やっていることって何に繋がるんだっけ?」ってなることが多いです。特に英語は、会話になると曖昧さが残るものだと思っているんです。
だからこそ「英語を通じてビジネスにどんな違いを作りたいんだっけ」とか、「どんな成果を持ちたいんだっけ」っていう前提を常に持ってます。
そうすることで、相手と喋りやすくなるし、相手とのブレをなくすためにも、前提を常に持っていますね。
その上で、「英語ができたからこれだけ数字が伸びましたよね」とは、実はそうも言えない気がします。
ただ面白いのが、数億~数百億動いた訳ではないけど、「パートナーが増えましたよね」とか「顧客開拓できましたよね」とか、結果的に色んな形で良いことが派生して起き続けました。
大きい目的と目標を掲げてやるべきことをやったから、想像とは違う良い波及効果みたいな、ご縁だったりきっかけが生まれていくというのは確実にあると思います。
ありがとうございます。
想像とは違うけど良いものが生まれるって、まさに結果オーライですね。笑
そうですね。笑
マイさんだとどうですか?どういう目標を置くことが多いとか、その中でコーチとしてどんな違いを感じたりしますか?
ん~と、そうですね…。目標で多いのは、今ゆうきさんが言ってたコミュニケーションや繋がりが多いのかなと思います。
最初は売り上げの数字を上げることに価値を感じて英語を始める方でも、やり始めてみると成果が出る出ないに関わらず、「こんな発見があった」「英語を使うってこういうことね」「もしかしたら言語力の話じゃなかった」とか色んな気づきや発見がありますね。
ゆうきさんが仰ったとおり、英語をやっていなかったら気づかなかった、出会わなかったっていう良い派生があるし、見えてくるものに価値があったって言ってもらうことが多かったと思います。
うんうん。
その出会いが、「人」「企業」「情報」「機会」どれかは分からないけど、出会いのきっかけとして英語があったということですね。
海外で英語を喋れなくても、最悪気合で乗り越えよう!
僕の周りでは最近、アメリカにビジネスを立ち上げるための現地視察に来る方や、海外の投資家向けの資金調達のためだったり、投資を受けるために英語でプレゼンテーションする機会があるので対策を一緒にしてください、という依頼が増えているんですよ。
マイさんは今までのお客さんを振り返ってみて、どういう場面のために英語をやりたい、対策したいという方々がいましたか?
私の場合だと、「既に海外へのカンファレンス(協議会)に行くのが決まっていて、そこでは必ず英語なんです」とか、「行き先では英語でコミュニケーションを取る必要があるんです」とか、「登壇しないといけないんですよね」って方が多くいらっしゃいましたね。そこで「私と一緒に行きましょうか」となることが多かったです。
なるほどなるほど。
そういう場面がある方って「英語できるんじゃないの?」っていうレベル感を既に持っている人な気がするんですけど、実際はどうですか?
そんなことはないです。笑
そうなんですか!笑
その方々に対して「英語できるからいけるんでしょ」って思われる方がいるとしたら、「そんなことはないです!」って本人たちも言いたいと思います。笑
「英語できるからその機会を受ける」とか「できないから受けない」っていうフィルターをかけるんじゃなくて、その言語ができるできない関係なくオファーを受けてチャンスに飛びつく気合とか、勢いがある人たちが海外に出ていく印象が強いんですよ。
うんうん、確かに!
今のマイさんの話を聞いて、ある意味安心します。
喋れないし、プレゼンできないかもしれないけど、なんとか引き受けないといけないですってスタンスでいいですよね。笑
そうですね。笑
実際に、そういった方々はどんなことに困っていて、どんな対策をしたいとかっていうのはあるんですか?
そういった方々は、対策の段階がありました。
例えば、「海外でカンファレンスの依頼があったときに、業界では海外でも有名だから登壇してほしいって話が来てるんだけど、海外で登壇するのはすごく怖いんです」っていう方がいて、この方は最初のステップとして、そもそも普通に話せるスキルが欲しいとのことで、リスニングトレーニングをやっていました。
それで、トレーニングを進めていると「実はその登壇って対談なんですよね」って言われて…。
対談となると結構大変なんですよね、プレゼンだけじゃないので。なので、対談中にどんな質問が来るかをあらかじめ想定して、1回日本語に全部書き出して、それをスクリプトして英語にして、シナリオにしてトレーニングして、対応できる幅を増やしていきました。
それでも、一瞬で英語力が伸びるなんてことはないので、あとは現地行って頑張りましょう!って感じです。笑「事前にできるトレーニングをしたうえで、最悪その場で日本語で話すのも大事ですよ」っていう話をしました。
なるほど!最後は「えいやー!」って感じに聞こえましたけれども。笑
英語が分からなくても諦めるな!ってことですよね。
こういう場でマイさんとお話していくなかで、英語を学ぶプロセスについても具体的に話していきたいと思いますね。
とりあえず大きなテーマとして、海外でビジネスをしている方々が英語のコーチをつける理由とか、そういう方々がどういったステップを踏んで何をすると効果的ですよとか、色んなハードルに対してこんな対策をするといいですよね、みたいなことをいろいろ見つけていきたいなって改めて思いました。
「TOEIC」や「英検」では自分に必要な英語は分からない
実は僕から伝えたいことがあって、英語の学習をすることを目的にするのはいいんだけど、あんまり時間をかけてほしくないなって思ったりするんですよね。
というのも、「その時間を経営に使った方がいいんじゃないですか」とか「もっと他にやることあるんじゃないですか」みたいなことを思うんですよね…。なので、直接この辺りを伝えたりするんですよ。
マイさんはこういった、「何でそもそも英語を勉強するの?」とか「学習する目的は?」みたいな、お客さんとの間で起きる会話ってあったりしますか?
よくあるのは、既に英語をやりたいと思って調べている方からは「TOEICがいいですか」とか「英検の方がいいですか」っていう話をされます。
ボキャブラリーを増やす方法を探して自分に必要だと思うことを丁寧に調べて、とても素晴らしいなと思うんですけど、ボキャブラリーと言っても色んな種類があるんですよね。
TOEICに出てくるボキャブラリーはビジネス的だし、英検だと学術的・アカデミック的なボキャブラリーです。ビジネスで英語を使う方が学術的な単語を学ぶのは悪くないんですけど、使う機会が少ないので、それなら一生懸命英検の勉強をするのはもったいない気がするんです。
なので、「あなたに必要な英単語ってビジネス系の単語ですよね。だったらTOEICの単語をやった方がいいですよ」とか「単語やるにしてもフィールドを狭めた方がいいですよ」みたいな、会話をすることが多いかなって感じです。
なるほど。「あなたに必要な英語って?」を具体的に探していく感じですよね。
そうですね。より必要な英語、その方が実際に使う機会が多い英語を探っていくことが多いです。
それはすごいその通りだと思ったのと同時に、マイさんってまじめだなって思いました。
「TOEICやった方がいいんですかね」とか「単語をこういう風に覚えた方がいいんですよね」っ相談に、世間で英語力の水準とされるものに則って、何かをやるといいんじゃないかって提案するのは、なんかすごくまじめな印象を持ちました。
ありがとうございます。笑
日本だと英語ってどうしても「教科」として見られているから、洗脳されちゃっているんですよね。
はいはい、興味深い!
それこそ、「勉強なんてしてきてないです」みたいな方だとまっさらな状態なので、とりあえず実践からやるのが受け入れてもらいやすいんです。
私含め大体の方は教科から入っているので、どうしてもその枠の中で考えちゃう癖はあるような気がします。
なるほどなるほど、興味深い話ですね!
僕も英語とか関係なしにもともと勉強するタイプじゃなくて、生きていくための手段として英語を身に着けたんです。
だから手段がどうであれ、本人の目標が達成できればそれでいいって考え方、僕は好きです。
僕らが好きなアプローチは「英語を通じてどんな実践をクリアしたいんですか」ってところから逆算して「じゃあどういう練習・実践をしましょう」って僕らは設計していくじゃないですか。
マイさんが言っていた「英語を教科として捉えるって感覚が多くの方にある」っていうのを聞いて「確かに、なるほどな!」と思いました。逆に僕らが好きなのは、ビジネスの目的を果たす手段としての「英語をどう捉えるのか」っていう考え方がしっくりくるってのが再確認できましたね。
うんうん、そうですね。
まぁでも、悪いことではないですもんね。TOEICのスコアを伸ばすことを目標に頑張るのも、全然素晴らしいことですし。
そうなんですよね。TOEICとか英検の勉強をやるにしても、目的を定めるとより効率的に英語を使ってもらえるのかなって気がします。英語脳を鍛えるためには、いいトレーニングになりますからね。
そのうえで、僕が多くの方と話して思ったことは、英語の1番最初の入り口は、仕事に対してのミッションとビジョンを語れること、会社の魂のところを喋れるのが1番最初にくるべきなんじゃないかなと思うんですよ。
ビジネスで最低限英語ができなきゃいけない場面は、「会社について1分くらいで魅力的に語れますか」っていう場面な気がします、自己紹介ももちろんそうですけど。
僕がアメリカでビジネスをしていて、面接や他の会社の方とお話をするときに、「我々が何者で、どこを目指していて、どんなビジョンを持っているんだ」ってことを数え切れないくらい語ってきたので、そこが1番最初のスタートなのかなと思ったりします。
マイさんの「最低限はこれだよね」「始める入り口はここだよね」っていうのはどんなのがありますか?
「コミュニケーションをつくりたい」っていう大前提でやる方々に関しては、ゆうきさんと同じく、自己紹介が重要かと思います。起業家や経営者の方であればビジョンだと思うんです。
経営者の方なら、自己紹介ってビジョンに通じると思うんですけど、経営者以外でも色んな方と会ったときに1番最初にあるのは自己紹介なので「ここができてないとダメだよね」とはすごく思います。
自己紹介って日本語だと逆に、饒舌に喋れちゃうから「30秒~1分くらいで日本語でも喋ってください」って言われたらできない方が多い気がします。笑
喋りたくなりすぎて、まとまらないんですよね。
確かに、それすごく分かります。笑
ただ英語だと、よりシンプルに話そうとするので、洗練されていくんですよね。そのプロセスを一緒にできるのは面白いって感じます。
確かに、それって面白くてすごく価値のあることですよね。日本語だと喋れちゃうから「話が広がりすぎて結局何を言いたいのかわからない」ってあるあるですもんね。「熱い思いは伝わるんですけど…」みたいなことがよくある気がします。
英語を喋れる脳になってくると、よりシンプルで簡潔に伝えられる効果もありますしね。
英語の世界はまだまだ語りたいテーマだらけ!!
コーチという立場で話すタイミングってこれからも出てくると思うんですけど、「このテーマについて今後話を広げていきたい」って思うテーマやトピックってマイさんはありますか?
そうですね…。「発音って大事なんですかね?」って聞かれたりするので、発音について掘り下げたいなって思います。個人的にも発音の練習は好きなので。
いいですねぇ!英語の発音って日本人には難しいですもんね。
あとは、さっきゆうきさんが話していた英語に対する時間の使い方ですね。
英語を使って目標を達成するうえで、時間の使い方のバランスって見つけにくいと思うんです。
なので、英語をやるうえで上手く時間を使うにはどうすればいいのか、そのあたりの話ができたら面白いなって思います。
僕も、英語に対しての時間や習慣をどう作っていくのか、コミットメントを強く持つ人たちはどういう人たちなのかを掘り下げていきたいんですよね。
あとは、「そもそも言語の習得が早い人とそうでない人の違いってなんなのか」とか「カルチャーとか価値観の部分で、組織としてグローバルになりたいときにどういう現実があるのか」とかを、コーチからみて気づくことをテーマ分けして話せたら楽しいなって思いました
うん!面白そうですね!!
ですよね!マイさんと英語コーチングっていう切り口から海外や企業に、何かヒントになるネタをこの場を通じて、投げ続けることができたらいいなって改めて思いました。
今日はこれで終わりなんですけど、継続的にこの対談を設けたいので、よろしくお願いいたします!
こちらこそよろしくお願いいたします!
今日はありがとうございました!!
はい!ありがとうございました!!
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