日本より5年先にあるいうアメリカビジネス市場において、日本人とアメリカ人のマーケティング力の違いは? 注目するSNSマーケターは? 海外からの最新マーケティング情報を日本に向けて配信するゆきさんに詳しく話を伺いました。
インタビュー相手
井添結琴 NEXT LEVEL BIZZ 代表取締役
ロサンゼルスでビジネスコンサルタントとして活動。昨年起業し「NEXT LEVEL BIZZ」を設立。リアルタイムで世界最新のデジタル戦略・ビジネストレンドを日本でいち早く取り入れ、効果的で結果の出るマーケティングサービスを提供。
最初にご自身の紹介をしていただけますでしょうか。
わかりました!めちゃくちゃ緊張します(笑)
17歳の時に1人でアメリカに行き、最初は留学生でした。その後もずっとアメリカにおり、今年で10年目になりました。学費面で考えた結果、大学進学はしなかったのですが、湘南美容外科のアメリカの立ち上げに携わらせていただきました。
その流れでマーケティングの最高頭脳と言われているジェイ・エイブラハムさんと出会い、すごく感化され、そこからマーケティングの勉強を始め、起業家を目指しました。
今では起業する人たちを助けるためのスクールやマーケティング戦略、コンサルティングを通して企業をサポートする会社Next Level Bizzを運営しながら、スクールとコンサルティング業務の両方を行っています。
アメリカのマーケティングを日本へ
ありがとうございます!
僕はゆきさんと湘南の立ち上げから様々な苦難をご一緒してきたので、それだけでも話したいことはいくらでもあるんですけれども(笑)そのあたりの話はまた追々ということで!
今は、Next Level Bizzという日本で立ち上げた法人を通じて、スクールや、マーケティングを中心にしたストラテジーを作っているとのことですが、もう少し詳しくNext Level Bizzでのお仕事の内容を教えてもらえますか。
Next Level Bizzでは大きく2つのことを行っています。
1つ目は、既に存在している事業のコンサルティングサポートです。アメリカのビジネスは日本と比べて5年くらい先に進んでると言われているので、そういう最新のマーケティング戦略であったり、アメリカの最新トレンドや市場調査の結果をもとに、コンサルティングを提供することで、企業がもっとマーケティングで活性化するようサポートしています。
また、日本で差別化できるようなマーケティングができるようなコンサルティングサービスの提供も行っていますね。
もう1つは、他のプロジェクトでもミッションとしていることなのですが、日本は自殺率が先進国の中でもトップ3に入る国です。
起業することで“より自分らしく、情熱を持って取り組める”分野で可能性を開拓して、悲しい選択をせず自分らしく活躍ができる未来を手に入れれるように、起業したいという思いを持ってる人や、起業したけど結果が出せなくて困っている方をサポートしています。そして成功できる起業家になることで、自分らしさを実現してもらうための起業サポートのスクールもやってます。
そこではゼロからでも学べるように、具体的な起業ステップや、どうやってお金をかけずにマーケティングをして、投資なしでビジネスを始めることができるかというところまで、詳しく教えています。
面白い!
今後話したいなと思うテーマが満載です。「お金をかけずにマーケティングをどうやってやるの?」というのは、すごく興味深いテーマだと思います。アメリカのビジネス、特にマーケティングの分野は世界的に見ても進んでおり、新しい取り組みの情報も満載だなと思います。
ゆきさんなりにアメリカでマーケティング関連の仕事を行う面白みや、魅力はどういうところにありますか?
アメリカの方々と働くときにびっくりするのが、創造性がすごいというところです!日本はどちらかといえば一直線に考えるじゃないですか。小学校等の教育も、出された情報を覚えて、マニュアルに従ってテストを受けるという感じだと思うのですが、アメリカの学校だと、恐らくその前の時点というか、人間の創造性を育成する教育を受けているんですよね。マーケティングをするときも、線形じゃなく非線形に、いろんな視点から創造的なアイディアを出すのがアメリカ人なんですね。だから「戦略が進んでる」と言われているのは、日本人にはない視点の戦略だから進んでいるように見えると思うんです。そういうところがすごく面白いなと思って。
幼少期からの視点もそうかもしれないし、バックグラウンドが良い悪いではなく”違う”っていうことなんですね。あとはやっぱり多様な人種、民族がいるという観点も、マーケティングという大きな言葉で括ってみたときに、直線的なものの見方よりは、多面的な想像力があることによってうまくいく…そんなこともあるんだろうな。
そうですね。特にアメリカってメルティング・ポットといって、人種がすごく多いじゃないですか。だからこそ“お客さんの視点に立って考えること”ということがかなり鍛えられるんですよ。
今ジェイ・エイブラハムさんとお仕事をさせていただいているのですが、彼の「卓越の戦略論」では、“誰よりもお客様の視点に立って考えられるマーケター”になること、それによって「この人から買いたい」と思ってもらえる環境作りをすることがとても大切と教えられています。アメリカに来たら、たくさんの文化があるので、相手の視点に経たないと、文化が違う一人一人の顧客を真にを理解できないと学ばされます。その「この人たちにこんなマーケティングをするとどう思われるだろうか」という考え方を、そのまま日本に持っていく。日本ってみんな日本人だから、そこで鍛えた能力を発揮しやすいというところがありますね。
アメリカは、いい意味でのマイノリティという括りがあるから、ビジネスのオポチュニティもたくさんあるんだろうなと思います!特定のターゲットにフォーカスして「その人たちが本当に喜んでくれるものってなんだろう」と追求していくという点では、まだまだ余地があり、アメリカの市場はすごいポテンシャルだなと感じました。
本当ですね。
海外の最新SNSマーケティングを配信
スクールの展開をされていたり、今はYouTubeにも力を入れているとのことですが、そのあたりも簡単に紹介してもらえますか。
もちろんです!
YouTubeでは、特にInstagramマーケティングとかFacebook広告という、SNSマーケティングにニッチを絞って情報配信しています。
最近では徐々に、“お金をかけずにできるマーケティング戦略”とか、“フォロワーがいなくても結果を出す方法”というような、多面的な方向から海外の最新情報を配信しています。
そういった海外の最新情報は、どうやって見つけてくるんですか?
先ほど話題にしましたが、今ジェイ・エイブラハムさんと日本のマーケティングのお仕事をさせていただいています。彼は業界の権威でいろんな人脈がある方なので、彼と話すたびに様々な情報を共有していただいてますね。
そこから得ているというのが1つと、あとは英語が話せるので海外のYouTubeや、海外のインフルエンサーみたいな人たちが最新で配信している情報を得たりしています! 例えばInstagramだったらInstagram社の公式も英語でしか配信されないので、公式からの情報をすぐに翻訳してYouTubeで日本の皆さんに配信したり。
素晴らしいね! なんか、ゆきさん……たくましくなったね! 違うか(笑) いや、英語を使ってたくさんのソースにアクセスできて、インプット~アウトプットができるってすごい強みです。僕はできてないことがいっぱいあるので、本当にすごいなと思いました。
いろんなジャンルがありますが、インフルエンサーやマーケティング関連の面白い人たち、「このYouTube面白いよ!」「この人はすごく良いソース配信してるんだよね」という方がいればシェアお願いします!
アメリカ、英語圏でいいですか?
アメリカでいきましょう!
SNSマーケティングだったら、バネッサ・ラウさんという女性が私と同じ年ぐらいなんです。すごく綺麗なアジア人女性で、プラスめちゃくちゃ頭がいい! 説明の仕方とか、個人ブランディングとか、もう全ての面で完璧! すごく参考にしてます。
あとはモチベーションが好きな方とかだったら、ゲイリー・ヴェイナチャックさん。言葉遣いはすごく汚いです(笑) でも逆に彼の汚い言葉遣いのプッシュが好きで、そこがクセになって彼を見てる人もよくいますね。SNSマーケティングや、マーケティングの全体的な戦略だったら、ジェイさんも成功してるマーケターたちが尊敬する存在なので、彼は欠かせないかなって思います。
変な話だけど、ジェイ・エイブラハムさんにマーケティングの個人コンサルを受けようと思ったら、日本円でいうと1回3ケタ万円ぐらいから始まるんだっけ?
そうですね。もし彼と1日過ごすなら1000万円超えかと…!
日本の良い部分をもっと世界に強くアピールしたい
アメリカでのインプットを日本に還元し、アウトプットするというサイクルは、とても素晴らしいことだなと感じました。ゆきさんとこういった形で、あるテーマについて深堀りしてお話をしていくということは、今後もぜひやっていきたいと思います!
その上でゆきさんにぜひ聞いてみたいのが、アメリカって素晴らしいし面白いしという一方で、日本もたくさん素晴らしいところがあると思います。
ゆきさんがアメリカで仕事してる中で、日本の良さとかポテンシャルはどんな側面で感じますか?
日本はカスタマーサービスがいいのと、気遣いが他の国の人よりもある。日本人ならではの美徳みたいなのがあるじゃないですか。
お客様と接していても、1人1人の…例えばコミュニティを作ってお客様同士で人間関係や横の繋がりを構築できるようなコミュニティを運営してるんですけど、日本人の皆さんってお互いに気遣い合いがすごいです。自分から「他の人のために何かしよう」と考えて動く方とか、自分の意見を伝えるときも相手を傷つけないように、相手の気分を害さないようにというような気遣いができる方が多いなと思っています。
そういう日本人ならではの優しさは、海外でも認められ「おもてなし」と言われていて、素敵!と言われています。日本は本当にそういうところが素敵だなと感じます。
それがやはり商品やプロダクトにも表れてる気がするんですよね。ここまで気を付けて、気にして作ってくれたんだなという、緻密さや正確さなど。
そういう精神が根っこにあるから、アウトプットされたプロダクトもそういう形になっていくのだなと、今聞いてて思いました。
おっしゃる通りですね。電化製品とかもそうじゃないですか。エンジニアもすごく小さいところに細かく気を遣っているから、世界に貢献できるような製品ができたり。
確かにそれが根っこですよね。「でしゃばろうNIPPON!」というこのメディアも、そもそもが「日本人にもっと出しゃばってほしい!」という思いがあっての名前なんですよ。
ゆきさんも、マーケティングという観点で、プレゼンテーションに関して日本のオポチュニティ「もっとこうしたら」「もったいないな!」と思うところはたくさんあるんじゃないですか? マーケティングをやってるからこそ、感じる部分が。
はい。ビジネスは差別化ポイントが必要になりますよね。差別化するときのポイントで、日本人は謙虚だからこそ、なかなか自分の強みが見つからなかったり、知ってることでも遠慮して言わなかったりすることがある。自慢してるように思われたくないとか。
私がアメリカでやってきて思ったことは、知ってることを分かりやすくアウトプットしてあげることで、他の人のためになることもある。先日ジェイさんから言われて気づいたんですが「同じ知識を配信してるたくさんの人の中で、誰よりもわかりやすく、誰よりも濃い情報を配信することができると、それだけで差別化になる」と。
日本の方ってコミュニケーションが苦手な分、アウトプットに苦手意識を持っている方がいます。自分が知っている知識や学んだことを、誰よりも分かりやすく、もっと表向きに配信していくことができれば、価値の提供という意味で、特にコンテンツマーケティングが流行ってる今だからこそビジネスで差別化できる。
個人ブランドでも、誰より分かりやすく教えてくれる専門家としての立ち位置を、会社規模でも個人規模でも得やすくなるのに、すごいもったいないなと感じています。
そこができると世界に配信していける日本人、世界で名を挙げることができる日本人が増えていくかな。
繊細さとか正確さにこだわるっていう意味で言ったら、ポテンシャルはあるんですよね、日本人も。どちらかというと、主張をすることに対するメンタルブロックみたいなものがある。あとは言語という観点でいうと、英語で何かを表現するとなると、萎縮してしまうのかもしれないですね。
そうですね。
海外進出のためには自己アピールと表現力アップを
17歳でアメリカに来たときの自分と、今の自分を比べると、コミュニケーションという観点では、どんな変化がありましたか?
ゆうきさんは知ってると思うんですけども、私は何でも言いますし、不平等だと思ったことは、カスタマーサポートにきちんと話します。湘南時代はよく「交渉のゆき」って言われたじゃないですか。(笑)
もうネゴシエーション力が半端ないっていうね(笑)
アメリカって自己主張はしないと、いつまで経っても受け入れてもらえない。むしろ無視されちゃうから、私は17歳のあの頃とは比べ物にならないぐらい自己主張できるようになっています。
クックックッ(笑)
その笑い方(笑)
いやいやいや、素晴らしい! 僕もアメリカに4年住んでいた中学生のとき、「主張しない=存在していない」と実感しました。だから、生きてるのか死んでるのかわかんないっていう恐怖を中学生なりに覚えたのを、今思い出しました。
ですね(笑)
特にビジネスにおいて成果を出すプレゼンテーションを出して勝ち取っていくことを考えたときに、良い悪いではなくて、日本の基準よりもちょっと強め、大きめにプレゼンをするっていうことは、避けては通れない感じがしますよね。
そうですね。海外市場に進出したかったらやはり表現力。アメリカ人って自己主張が激しいじゃないですか。だからこそ負けてられないですよね。
同じ製品の素晴らしさを、10を100っていうアメリカ人なのか、10を8っていう日本人なのか、みたいな。そういう話がありますよね。
言い方次第で伝わり方って変わるから、結果も変わりますよね。
なるほど! 奥深いですね。そう考えると最初に話していただいたマーケティングのストラテジーという観点。そもそも誰が誰を相手にするんだっけ?というときに理解しなければいけない主体、ターゲットやペルソナが誰なのか?という点でも、アメリカは広いし、深い。
おっしゃる通りです。ただ、アメリカで成功したかったり、アメリカ人と競合したければ、日本人は話し方を勉強しないといけないと思っています。ゆうきさんはご存じだと思うんですけど、私も元々話し方がすごく下手だったんです。昔からよく「結論から言いなさい」って言われてたくらい、自分は説明が苦手だと思っていました。加えて、過去にそれが原因でいろんな方から指摘されたことがあって……説明することや話すということにすごく苦手意識が高かったんですよ。だからこそ、相手に伝わりやすい話し方、セールスライティングを応用した話し方をとことん研究しました。
特にコンテンツマーケティングや、日本から海外に進出するときは、多くの情報を配信していかなければなりません。だからこそ、話し方は日本人がもっと勉強するべきポイントだと考えています。
届け方、伝え方、脳みその使う部分が、良い悪いじゃなくて違うのでしょうね。幼少からの教育の受け方とかも含めて、日本とは様々な違いが出るのだろうと感じました。
ありがとうございます! 話していたら盛り上がることがいくらでも出てきそうです。ぜひこれからもアメリカとマーケティングっていう大きなテーマで、関心があるトピックについてどんどん深めて、お話させていただきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします!
よろしくお願いします!
今日はお時間いただいて、ありがとうございます!
めちゃめちゃ面白いインタビューさせていただきました!
こちらこそありがとうございました!
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